老人ホームへ入居する前は見学が必須!おすすめの見学回数と時間帯は?
老人ホームはお年寄りが自宅での生活が困難になったとき、スタッフの手を借りながら、住居として利用する施設です。ときには終の棲家となるので、施設は慎重に選ぶべきですし、とりわけ見学は必須といわれています。この記事では老人ホームへ入居する前に見学が必須な理由、適切な見学回数と時間帯について解説します。
老人ホームへ入居する前に見学が必要な理由
快適な老人ホームを選ぶには、入居する前の見学がどうしても必要となります。その理由は入居条件に合った老人ホームでも、それぞれ特色が異なり、ホームページやパンフレットだけでは、得られない情報が大量にあるからです。お年寄りの条件や希望に合わせて、有料老人ホームに入居を決定しても、民間の施設はそれぞれ自由度が高いため、サービス内容には大きな差が生じています。老人ホームを見学すると、実際の現場の雰囲気、スタッフの心遣い、管理者の対応などを肌で感じられます。
お年寄りのお世話は、人として信頼に足るスタッフにお願いしたいものですが、そのためには施設内の見学が欠かせません。介護に従事しているスタッフの様子を注意深く観察し、適切なサービスが提供されているか、を自分の目で確認しましょう。
介護度が合致していても、お年寄りが施設の生活に馴染めるとは限りません。居室や浴室などの設備は実際に目で見ると、「私の好みじゃないな」「うちのおじいちゃんには狭いかも?」といった問題点が見つかります。小さな問題点をそのままにして妥協してしまうと、後々大きなトラブルに発展する危険性があります。見学して施設内の設備が実際にお年寄りに合っているかを判断しましょう。
また施設を利用しているお年寄り、現利用者の表情を見ることは大切です。楽しく過ごしているか、暗い表情をしていないか、スタッフとの関係性は良好か、を施設見学で確認します。老人ホームのパンフレットには「○○駅から徒歩何分」とアクセスが記載されていますが、実際に徒歩で歩いてみると道路状況などの理由で、表記通りとはいきません。見学時に交通手段を利用して、面会に通いやすい施設か否かを判断する必要があります。面会が困難な老人ホームはお年寄りにも家族にも適した施設とはいえません。
おすすめの見学回数と時間帯
老人ホームのおすすめの見学回数は3~5か所です。複数の施設からパンフレットを取り寄せ、その中から条件に合うものを3、4か所程度に絞ります。余り多くの施設を見てしまうと、情報の整理がつかなくなり、疲れてしまいます。見学時間は少なくとも30分以上は必要なので、多くの施設を希望すると予定が立てられない事態も起こります。
見学の際は複数の人数で来訪しましょう。利用者本人の他に2人程度の家族が同席すれば、客観的意見が聞けて有効ですね。あまり大人数の見学はおすすめできません。老人ホームは生活の場ですから、大人数で訪れると現利用者の迷惑になります。施設側の対応も違ってくるので、普段通りの生活が見学できなくなります。
加えて老人ホームを見学するには必ず予約が必要です。予約無しで来訪すると、施設側が対応できず、入室できないこともあるようです。見学担当の職員が常駐していない、ホーム長が留守、といった場合もあるので、日時の予約は必ずしておきましょう。見学する時間帯は、昼食時、レクリエーションの時間などがおすすめです。
昼食時は食事介助するスタッフを見るのに都合がよく、現入居者の状態も確認できるので、貴重な情報が得られます。施設内のレクリエレーションを重視する人は、時間帯を確認してから、見学予約を入れましょう。レクリエーションタイムは、現利用者の表情やスタッフの対応がよく分かる時間帯です。1度の見学で理解が及ばなければ、再度見学を申し込みます。
見学する際に確認すべきポイント
見学する際に確認すべきポイントは多くあります。チェックシートを作成し、メモしたり、写真を撮ったりしながら、チェックしていきましょう。
■設備
施設内の設備は使い勝手がよいか、チェックします。洗面台やトイレはお年寄りの体勢で見て、高過ぎないか、車いすでもスムーズに移動できるかを確認しましょう。
■雰囲気
老人ホームの雰囲気は実際に見学してみないと判りません。スタッフがいきいきと仕事をしているか、現入居者が笑顔で生活しているかなどしっかりチェックしてください。
■食事
老人ホームで生活するお年寄りにとって、食事は人生の楽しみの一つです。本物のメニューを見ながら、料理の質、量、提供状態などをチェックします。可能ならば試食させてもらいましょう。
■周辺環境
周辺環境のチェックは重要な項目です。利用者の気持ちが和むような周辺環境か、危険な場所はないか、騒音や交通事情で苦痛を感じないかをお年寄りの目線でチェックしましょう。
老人ホームへ入居する前は必ず見学が必要です。3か所以上の施設を自分の目で確かめて設備、食事、環境の良し悪しを判断します。老人ホームは大切なお年寄りを預け、ときには終の棲家となる施設です。スタッフの雰囲気や現利用者の印象を確認し、信頼に足る施設を選んでください。