人生の振り返り!エンディングノートのメリットとは?
エンディングノートの用意を、といわれると「まだ早い」「縁起でもない」と反発する人は未だに多くいる現状です。しかしエンディングノートは死後のためだけに書くものではありません。自分の生涯を振り返り、一冊のノートに書き残す作業です。人生の振り返り、エンディングノートのメリットとはどのようなものか、考えてみましょう。
エンディングノートとは?
エンディングノートとはもしものときに備えて、残された家族、遺族に伝えておきたい思いを書き残すノートです。内容は個人情報から資産情報など、膨大な情報量になります。エンディングノートには氏名、生年月日、現住所、本籍地などの個人情報を詳しく記載します。
もしものときの第一連絡先も記入しておきましょう。最初のページに家族や遺族、このノートを誰に読んでほしいかを書いておきます。また読んでほしくない人がいたら、その旨を記載します。
そして自分の資産状況をすべて記入します。銀行口座や保険証券、不動産資産などのすべてです。通帳や印鑑の保管場所も記しておきましょう。相続の希望を記載しておくと、遺言書と違って法的効力はありませんが、貴重な意思表示となります。
自意識を失ったときの終末期医療について、希望があればエンディングノートに記入しておきます。望まない治療方針を避けるため、現在かかっている主治医に相談してから記入すると効果的です。
もしものとき、遺族が最も頭を悩ませる問題が葬儀です。愛する家族を思い悩ませずにすむよう、エンディングノートによって希望する葬儀を記しておきましょう。生前墓地を契約したときは、契約内容のすべてをエンディングノートに記載します。
エンディングノートは後の人にいい残しておきたい、書き記しておきたいものを自由に思いのままに綴ります。伝えておきたい思いを文字で書き残すことが、エンディングノートの最も重要な役割といえます。
エンディングノートを作成するメリット
エンディングノートは自分のため、家族や遺族のために書き残すノートです。書いてみて始めて気付く大切なことも数多くあります。エンディングノートを作成するメリットは主に4点あげられます。
■現在の自分の資産状況を把握できる
自分の資産を正しく把握できます。エンディングノートによって資産状況を整理すると、現在の生活を見直すきっかけにもなり、今後の人生設計に役立ちます。エンディングノートは死後のためだけに書くわけではなく、これからを生きる指針となる材料なのです。
■生前整理ができる
自分に必要な物、不要な物が把握できるので、身の回りの整理、生前整理に役立ちます。エンディングノートを元に住宅の整理に踏み切る人が多いようです。保管する物、家族に譲る物、処分する物など、家庭内の物品に対して見える化が図れます。
■家族に思いを伝える
終末期医療に関して、エンディングノートに記載してあると、家族に自分の思いを伝えることができます。意思表示のないまま終末を迎えてしまうと、残された家族はさまざまな判断に苦しみ、後悔の念に苛まれてしまうでしょう。この後悔は家族が後の世を生きる限り続くのです。具体的な内容の他にもエンディングノートに残された「ありがとう」の一言が、家族の心を癒す一助となります。
■自分の生きた証を残せる
これまで歩んできた自分の人生を振り返り、誰かに伝えておきたいこと、面と向かって言葉ではいえなかったでき事などをエンディングノートに残しておけます。自分史として書かれた部分は家族だけでなく、後の子孫も目にすることとなり、あなたという一人の人間がこの世界に生きた証となるのです。
エンディングノートの選び方
エンディングノートは書店でさまざまな種類が販売されています。書く目的、書く人により内容は千差万別なので、自分に最も合った1冊を選ぶ必要があります。
エンディングノートを選ぶポイントは、書店などで目視し「これなら自分でも書けそうだ」といった第一印象を持つものがよいでしょう。人によって書く内容のボリュームは違います。相続問題を多く書き残したい人は、銀行口座番号やクレジットカードの情報など細かく記載できる、空欄穴埋め式がよいでしょう。保険会社や葬儀社が配布しているノートもあり、該当する部分が書きやすく作られています。自分史として残したい人は自分史年表がついているもの、思い出の写真が挿入できるタイプがおすすめです。
何を書いてよいのか、何から書けばよいのかわからない人は、コラムや解説、ワンポイントアドバイスがあるノートを探してみましょう。手書きが苦手な人はパソコンで作成できるテンプレートが無料でダウンロードできますし、wordで作成するなら、MicrosoftOfficeのweb上に書式が用意されています。
エンディングノートは死後のためだけに書くものではありません。自分の人生を振り返り、現状を正しく把握した上で今後の生活に役立てる、といった用途もあるのです。残された遺族の負担を軽減し、自分の生きた証を残すためにも、最も合ったエンディングノートを選び、大切な思いを書き残しておきましょう。