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任意後見制度とは?制度の内容と手続きの流れなどを解説!

公開日:2023/09/15  

これから任意後見制度を利用したいと考えている人に、今回の記事はおすすめです。健康な状態のあいだに、自分が信頼できる人を後見人に選定できるようになっています。こちらの制度を活用することで、判断能力が低下したときに安心して後見人に任せられます。メリットとデメリットも見ていきましょう。

任意後見制度とは

自分がまだ健康なうちに後見人を選定したいと考えている人におすすめです。ただし、メリットとデメリットがあるので、自分が望んでいるものなのか総合的に判断しましょう。

制度の概要

健康な状態のあいだに、認知症や障害の場合に備えて利用できる制度です。まだ元気なうちに、任意後見人を自分で選べるようになっています。

将来のために備えておけるようになっているので、万が一認知症などになったときでも焦ることがありません。

任意後見人とは

さまざまな行為ができるようになっています。

まず、治療や入院の契約を締結できます。次に、施設や老人ホームに入居するときの契約を締結できます。そして、所有している不動産や預貯金の管理を行います。家賃や公共料金の支払いなどを代わりに行うためです。さらに、本来は本人が実施する遺産分割協議なども行います。最後に、介護サービスの利用手続きも実施できます。

このように、本来は本人または家族などが行う行為ですが、認知症や障害を抱えてしまったことで、できなくなった状態の本人に代わり業務を行います。

委任できない行為

すべての行為ができるわけではありません。契約の取消権や財産の運用などはできなくなっています。また、飼育しているペットの世話もできなくなっています。

親族や第三者に依頼できる

基本的に自由に選定できるようになっています。ただし、未成年の人、破産した人、行方が分からなくなっている人などは認められていません。

また、親族や知人などで信頼できる人がいない場合は、第三者に依頼できるようになっています。たとえば、弁護士、司法書士、税理士などの専門職や社会福祉士などの福祉の専門家などです。

たとえば、過去に親族と遺産を巡ってトラブルとなった人は、親族に任意後見人を依頼するのをためらうでしょう。そのようなときは、費用を負担する必要がありますが、第三者が適しているといえるでしょう。

メリット

主に3つあります。まず、契約内容の自由度が高いことです。親族に依頼するときは、無償または格安の料金なので魅力的です。

次に、自分で選定できることです。後見人を自分で選定したい人におすすめです。最後に、任意後見監督人が付くので安心です。

デメリット

主に3つあります。まず、契約を取り消せないことです。本人が違法ビジネスに契約してしまった場合でも取り消せないようになっています。

次に、死後の事務処理などが行えないので、そちらも希望する場合は別の契約も締結する必要があります。最後に、制度を利用するタイミングは自分たちで決定するので難しくなっています。

法定後見制度と任意後見制度の違いは?

後見人の選定要領や制度を利用するタイミングなどが異なります。2つの用語は似ているので混同しないようにしましょう。

法定後見とは

こちらは、本人の判断能力が低下してから実施します。親族などが家庭裁判所に申し立てを行った後に後見人が選ばれます。家庭裁判所が後見人を選定するので、本人や親族などが選定するわけではありません。

任意後見とは

こちらは、本人が自由に後見人を選定します。判断能力が低下する前に選定できるようになっています。

任意後見制度の手続き・利用の流れ

手続きと利用の流れを見ていきましょう。必要な費用も確認しましょう。

誰に引き受けてもらうか検討する

親族や第三者に依頼できるようになっています。自分が信頼できる人がいない場合は、専門家に依頼できるので安心してください。

契約を締結する

本人は、印鑑登録証明書、戸籍謄本、住民票を準備します。後見人になる予定の人は、印鑑登録証明書と住民票を準備します。

制度の利用を開始する

こちらのタイミングは難しくなりますが、自分たちでタイミングを決定できるので、本人の判断能力が低下したタイミングで制度を開始しましょう。

公正証書を作成する費用

作成するのに1万1,000円、手数料で1,400円、印紙代で2,600円がかかります。そのほかにも、切手代などで数百円の出費が発生します。

専門家に公正証書の作成を依頼した場合

弁護士などに作成を依頼できます。この際の費用は5~20万円となっています。相場を知っておきましょう。

任意後見人の報酬

親族の場合は無償のときがありますが、報酬を支払った場合でも月額5万円程度でしょう。専門家に依頼した場合の相場は、月額3~6万円となっています。

まとめ

まずは制度について詳しく知りたいと考えている人は、専門家に相談するとよいでしょう。まだ自分が元気なあいだに色々と準備を進めておくことで、老後の生活を安心して送れるようになります。

よく混同される用語に法定後見と任意後見があります。後見人の選定要領や制度が利用できるタイミングなどが異なるので混同しないようにしましょう。詳しいことは専門家に相談して、不安の解消に努めてください。

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